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横浜国立大学は海洋環境保全のための船舶関連研究拠点を設置しました。

〒240-8501 横浜市保土ヶ谷区常盤台79-5

コンセプトの概要 Concept

コンセプトの概要 Concept

 現在、世界各地でIMOのバラスト水条約を満足するためのバラスト水処理装置の開発が進められています。しかしながら、大型船の大量のバラスト水をいかに処理するか、処理装置の搭載が困難な既存船対策をどうするか、省エネ性能との両立、使用する化学薬品による2次汚染対策など、バラスト水処理には多くの技術課題が残っています。本研究は「バラスト水を輸送しない船」という全く異なった観点からこの問題を解決しようとするもので、模型実験や数値解析を実施し、提案する方法の性能評価およびシステム開発を推進しています。

 本方式では、船体に浮力調整タンク(既存船ではバラストタンクを使用)を設けます(図3)。浮力調整タンクへはポンプを使って海水を取り込みます。軽荷航走時には、船底に設けた流入口、流出口を開放し、流入口から海水をタンク内に取り込み、循環させて流出口から船体外に排出します。海水を取り込み、循環させるために流入口と流出口の形状を工夫して、船が前進すると流入口下側で相対的に圧力が高く、流出口下側で相対的に圧力が低くなるようにします(図4)。両者の圧力差によってタンク内に海水が流れ込み、タンク内を循環した後、排出されます。タンク内に海水を満たすことにより、軽荷航海の際には浮力が減少するため、航海に必要な喫水を確保できます。貨物を積んだ満載航海時には、流入口、流出口を閉鎖し、タンク内の海水を排水することによって、従来の船舶と同様に十分な浮力を与えることができます。軽荷航海時にはタンク内の海水は常に船体外の海水と交換されるため、タンク内の海水成分は航海をしている海域の海水と同一成分になります。従って、発地の海水を目的地に運ぶことがなくなり、海洋生物の移動を防止できます。


                       図3.


                        図4.

 提案する方法は、プレーリードッグやアナジャコなどの生物が巣穴内の空気や海水を交換するために活用している方法と同じ原理に基づいています。一例としてプレーリードッグの巣の換気システムを紹介します(図5)
 プレーリードッグの巣には複数の入り口があります。例えば図5の場合、左側の入り口の周りのマウンド(土盛り)と右側の入り口のマウンドの高さを比べると、右側の方が高くなっています。このため、風が吹いた場合には右側の入り口上部の圧力が左側のそれよりも相対的に低くなります。この仕掛けにより、巣の中には空気の流れが生じ、換気を行うことができます。


                     図5.
 


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